フレイル予防は食事・運動・口から!家族ができる3つの具体策

在宅

「最近、親がよく食事中にむせるようになった」 「一日中ボーッとしていて、昼夜逆転してしまった」

そんな変化に戸惑い、介護の負担が日に日に重くなっていると感じていませんか? 実は私自身も、母がレビー小体型認知症(※1)と診断されてから、同じような経験をしました。むせることが増えて食事が減り、体力が落ちて外出を嫌がる。やがて昼夜逆転の生活になり、私たち家族も心身ともに追い詰められていきました。

(※1 レビー小体型認知症:幻覚が見えたり、手足が震えたりする症状が出やすい認知症の一つです)

【結論】このような状態は「フレイル」と呼ばれますが、正しい「食事」「運動」「お口のケア」の3つを組み合わせることで、進行を防ぎ、元気な状態へ戻すことが可能です。

この記事では、介護現場でも実際に効果が出ている「地中海食」「コグニサイズ」「パタカラ体操」という3つの具体的な方法をご紹介します。どれも今日から家庭で取り入れられるものばかりですので、ぜひ参考にしてください。


1. そもそも「フレイル」って何?

フレイルとは、ひと言でいうと「健康な状態と、介護が必要な状態の中間(虚弱)」のことです。

「年をとったから仕方ない」と見過ごされがちですが、実はフレイルは「適切な対策をすれば、元の元気な状態に戻せる(戻せる老化)」という大きな特徴があります。

【フレイルの判定基準(フリードの基準)】 以下の5つのうち、3つ以上当てはまるとフレイルの可能性が高いと言われています。

  1. 体重が減った(半年で2〜3kg以上)
  2. 疲れやすくなった(わけもなく疲れたと感じる)
  3. 活動量が減った(軽い運動や体操をしていない)
  4. 歩くのが遅くなった(横断歩道を青信号の間に渡りきれない等)
  5. 握力が弱くなった(ペットボトルのフタが開けにくい等)

放っておくと「動かないからお腹が減らない → 食べないから筋肉が落ちる → さらに動けなくなる」という悪循環(フレイルスパイラル)に陥ってしまいます。これを断ち切るための具体的な3つの柱を見ていきましょう。


2. 食事で防ぐ:和風「地中海食」のすすめ

【結論】 フレイル予防の第一歩は「しっかり食べて栄養をとること」。特におすすめなのが、世界的に健康効果が認められている「地中海食(ちちゅうかいしょく)」の考え方を取り入れることです。

【理由】 高齢になると、食欲が落ちて肉や魚を食べなくなり、筋肉を作る「タンパク質」が不足しがちになります。地中海食は、タンパク質や良質な油を無理なく、バランスよく摂れる食事スタイルだからです。

【具体策・事例】 地中海食といっても、毎日パスタやパエリアを作る必要はありません。「和食」に少しアレンジを加えるだけで大丈夫です。

  • お肉よりお魚をメインに: サバ缶やツナ缶を使えば、噛む力が弱くても手軽に魚の栄養(オメガ3脂肪酸)が摂れます。
  • 油は「オリーブオイル」に: サラダやお味噌汁に、小さじ1杯のオリーブオイルをサッと回しかけるだけで、良質なカロリーアップにつながります。
  • 間食にはナッツやヨーグルト: お饅頭の代わりに、柔らかくしたナッツやヨーグルトをおやつにすると、タンパク質が補給できます。

ある介護施設では、「お魚メイン+彩り豊かな野菜」のランチを提供したところ、見た目の鮮やかさが刺激になり、ご利用者の食欲がグンとアップしたという事例(※2)もあります。


3. 運動で防ぐ:頭と体を同時に使う「コグニサイズ」

【結論】 運動不足を解消するには、体を動かしながら頭も使う「コグニサイズ」が非常に効果的です。

【理由】 コグニサイズは、国立長寿医療研究センターが開発したトレーニングです。「運動」で足腰の筋肉を鍛え、「認知課題(頭を使うこと)」で脳の血流を良くするため、身体の衰えと認知機能の低下を同時に防ぐことができます。

【具体策・事例】 特別な道具は不要です。日常のちょっとした場面で「ながら運動」として取り入れましょう。

  • 歩きながら計算: 散歩中に「100から順番に3を引いていく(100、97、94…)」と声を出しながら歩く。
  • 足踏みしながらしりとり: イスに座って安全に足踏みをしながら、家族と一緒にしりとりをする。
  • 家事の中に組み込む: 洗濯物をたたみながら、昨日の夕食のメニューを思い出す。

「間違えても笑ってやり直す」ことが脳への良い刺激になります。あるご家庭では、お孫さんと一緒にボール遊びをしながらしりとりをしたことで、おじいちゃんの笑顔が増え、日中の活動量が劇的に増えました。


4. お口のケアで防ぐ:「パタカラ体操」で食べる力を守る

【結論】 最後は「お口のケア」です。しっかり噛んで飲み込む力を維持するために、食前の「パタカラ体操」を習慣にしましょう。

【理由】 口周りの筋肉が衰えると、食べ物が喉に詰まったり、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん:食べ物が誤って肺に入り炎症を起こす病気)のリスクが高まります。パタカラ体操は、飲み込むために必要な筋肉をピンポイントで鍛えることができるからです。

【具体策・事例】 「パ・タ・カ・ラ」という4つの文字には、それぞれ重要な役割があります。

  • 「パ」: 唇をしっかり閉じる力(食べ物をこぼさないため)
  • 「タ」: 舌の先を上に持ち上げる力(食べ物を喉の奥へ送るため)
  • 「カ」: 喉の奥を閉じる力(誤って気管に入るのを防ぐため)
  • 「ラ」: 舌全体をなめらかに動かす力(食べ物をまとめるため)

毎回の食事の前に、「パパパパパ、タタタタタ…」と大きく口を動かして発声します。私が支援した高齢者の方は、これを毎食前に取り入れたことで「食事中にむせる回数が減り、お肉も美味しく食べられるようになった」と大変喜んでおられました。


まとめ:小さな変化に気づき、できることから始めよう

フレイルは、決して「避けられない老化」ではありません。

  1. 食事(地中海食):良質な油と魚で栄養を満たす
  2. 運動(コグニサイズ):体と頭を同時に動かして刺激を与える
  3. 口腔ケア(パタカラ体操):お口の筋肉を鍛えて「食べる力」を守る

この3つを日々の生活に少しずつ取り入れることで、ご家族の健康寿命は確実に延ばすことができます。 「いきなり全部やろう」と気負う必要はありません。まずは「今日のお味噌汁にオリーブオイルを垂らしてみる」「食前にパタカラと声に出してみる」といった、簡単で無理のない習慣から始めてみませんか?

家族や介護者がほんの少しの工夫を重ねることが、笑顔で過ごせる毎日につながります。


出典元

  • 日本老年医学会 編「フレイルの予防と対策」
  • 厚生労働省「フレイル予防・健康寿命延伸の取組」
  • 国立長寿医療研究センター「コグニサイズ」公式情報
  • 日本歯科医師会「高齢者の口腔ケア」
  • Keys A. et al. Seven Countries Study, 1980(※2 関連事例含む)

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