認知症予防の生活習慣と食事とは?薬剤師と栄養士が教える具体策

生活支援

はじめに 私は薬剤師として、地域活動の一環で「認知症カフェ(※1)」に参加することがあります。そこでは、ご高齢者ご本人だけでなく、介護をされているご家族や施設職員の方々からも、よくこんなご相談を受けます。

「認知症になりにくい生活習慣ってあるんですか?」 「予防のためには、毎日どんな食事を用意すればいいのでしょうか?」

こうしたご質問は、それだけ多くの方が認知症予防に強い関心を持っていることの表れです。今回は、日常生活の中で今日から実践できる生活習慣と、管理栄養士の視点を取り入れた「脳に良い食事」について、科学的な根拠(エビデンス)を交えながら詳しく、そしてわかりやすく解説します。

※1 認知症カフェ:認知症の方やそのご家族、地域の人や専門家などが気軽に集まり、情報交換や相談ができる場所のことです。


1. 認知症予防につながる4つの生活習慣

認知症は、ある日突然発症するものではなく、長年の生活習慣が深く関わっています。ここでは、予防のために意識したい4つのポイントをご紹介します。

1-1. 適度な運動と身体活動(フレイルを防ぐ) 運動は、認知症予防において最も効果が期待できる要素の一つです。その最大の理由は「フレイル」を防ぐことにあります。

  • フレイルとは? 加齢によって筋力や心身の活力が低下し、健康な状態と要介護状態の「中間」にある弱った状態のことです。

フレイルが進行すると、転倒して骨折するリスクが高まり、寝たきりや社会的な孤立につながります。これが結果として、脳への刺激を減らし、認知症の発症リスクを高めてしまうのです。

【具体的な取り組み例】

  • ご本人の工夫: エレベーターではなく階段を使う、家事(掃除や洗濯)を積極的に行う。週に3日は30分程度のウォーキングをする。
  • ご家族・職員のサポート: 「一緒に散歩に行きましょう」と声をかける。施設では、座ったままできるタオル体操や足踏み運動を日課に取り入れる。

1-2. 社会的交流と心の刺激(脳のネットワークを保つ) 人とのつながりは、脳にとって最高のサプリメントです。他者とコミュニケーションをとることで、脳の「認知的予備能(※2)」が高まります。

※2 認知的予備能:脳がダメージを受けた際にも、残された脳のネットワークを使って機能を補い、正常に働かせようとする「脳の体力」のようなものです。

【具体的な取り組み例】

  • ご本人の工夫: 地域の趣味のサークル(カラオケ、囲碁、手芸など)やボランティア活動に参加する。
  • ご家族・職員のサポート: 日常の些細なことでも「どう思いますか?」と意見を求め、会話のキャッチボールを増やす。昔の思い出話を一緒に楽しむ(回想法)。

1-3. 睡眠の質の向上(脳のゴミを掃除する) 睡眠は単に体を休めるだけでなく、「脳のメンテナンス」を行う重要な時間です。質の高い睡眠をとることで、「アミロイドβ(ベータ)」という物質が脳から洗い流されます。

  • アミロイドβとは? 脳の神経細胞に溜まる「老廃物(ゴミ)」のようなタンパク質です。これが長年蓄積すると、アルツハイマー型認知症の原因になると考えられています。

また、高齢になると「昼夜逆転(昼間ずっと寝ていて、夜中に起きてしまうこと)」が起きやすくなります。これは生活リズムを乱し、認知機能を低下させる大きな要因です。

【質の良い睡眠を確保するポイント】

  • 朝起きたら、必ず太陽の光を浴びて体内時計をリセットする。
  • 昼寝は午後3時までに「30分以内」にとどめる。
  • 寝る前はテレビやスマートフォンの強い光を避ける。

1-4. ストレス管理と気分の健康 強いストレスを感じ続けると、脳の「海馬(かいば)」という記憶を司る部分にダメージを与えてしまいます。また、気分の落ち込み(うつ状態)は、日中の活動量を減らし、引きこもりの原因になります。

【ストレス対策の具体例】

  • 深呼吸や、自分の好きな音楽を聴くリラックスタイムを作る。
  • 介護するご家族自身も、一人で抱え込まずにケアマネージャーやデイサービスを頼り、自分の休息時間(レスパイトケア)を確保する。

2. 管理栄養士の視点!認知症予防に期待される食事

ここからは食事についてです。近年、脳の健康を保つ食事法として「MIND食(マインドしょく)」が世界中で注目されています。

  • MIND食とは? 高血圧を防ぐ食事法と、地中海沿岸の伝統的な食事(地中海食)の「良いとこ取り」をした、脳の老化を防ぐための食事スタイルのことです。

以下のポイントを、毎日の献立に少しずつ取り入れてみましょう。

2-1. 抗酸化作用のある食品で「脳のサビ」を防ぐ 私たちの体は、呼吸をして酸素を取り込む際に「活性酸素」という物質を発生させます。これが細胞を傷つけることを「酸化(体がサビること)」と呼びます。野菜や果物には、このサビを防ぐ「抗酸化物質」が豊富です。

  • おすすめの食材:
    • 色の濃い野菜(ほうれん草、ブロッコリー、かぼちゃ)
    • ベリー類(ブルーベリー、いちご)
    • ナッツ類(アーモンド、くるみ ※誤嚥に注意し、砕いて使うなどの工夫を)

2-2. 良質な脂質(オメガ3)で脳の神経を守る 脳の約60%は「脂(あぶら)」でできています。そのため、どんな油を摂るかが非常に重要です。特に青魚に含まれる「EPA(エイコサペンタエン酸)」や「DHA(ドコサヘキサエン酸)」という油は、脳の神経細胞を柔らかく保ち、炎症を抑える働きがあります。

  • おすすめの工夫:
    • サバ、イワシ、サンマなどの青魚を「週に2〜3回」食べる。
    • 調理用の油を、バターやラードから「エキストラバージンオリーブオイル」に変える。

2-3. 糖質・塩分の摂り過ぎは「血管の敵」 ご飯やパンなどの糖質の摂りすぎは糖尿病を、塩分の摂りすぎは高血圧を引き起こします。これらは血管をボロボロにし、「脳血管性認知症(脳卒中などが原因で起こる認知症)」のリスクを跳ね上げます。

  • おすすめの工夫:
    • おやつは甘いお菓子の代わりに、ふかし芋や少量の果物にする。
    • 汁物は1日1杯までとし、出汁(だし)の旨味を効かせて減塩する。

2-4. 食習慣そのものを楽しむ 栄養素だけでなく、「誰かと一緒に楽しく食べる(共食)」ことも重要です。家族や施設での食事の時間は、五感(味覚、嗅覚、視覚など)をフル活用し、会話が生まれる絶好の脳トレの時間になります。


まとめ 認知症予防は、決して高価なサプリメントや特別なトレーニングだけが全てではありません。 **「日々の小さな習慣の積み重ね」**が最も確実な予防法です。

  1. よく歩き、体を動かして筋力(フレイル)を保つ
  2. 人と笑い合い、脳に刺激を与える
  3. 太陽の光を浴びて、夜はしっかり眠る
  4. 青魚や緑黄色野菜を中心としたバランスの良い食事を楽しむ

まずは今日のお食事から、あるいは明日の朝のお散歩から、ご本人とご家族、サポートする方々が一緒になって、無理なくできることを一つ取り入れてみませんか?


【出典・参考資料】

  • WHO(世界保健機関)「認知機能低下および認知症のリスク低減のためのガイドライン」(2019年)
  • 厚生労働省「認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)」
  • ※記載の食事法や習慣は一般的な予防の目安であり、持病のある方は必ずかかりつけの医師や管理栄養士にご相談ください。

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