― その“モヤモヤ”には理由がある。報われる働き方を考える
はじめに:その気持ちは、間違っていない
「忙しいのに誰も見てくれていない気がする」
「後輩のフォローもしてるのに、何も言われない」
「真面目にやってるのに、なぜ自分ばかり…?」
薬剤師という仕事は、目立ちにくい努力の連続です。
それなのに、なかなか評価されない。そんなモヤモヤを抱えている薬剤師は、実は少なくありません。
けれど、それはあなたの「頑張りが足りない」わけではありません。
むしろ、多くの薬剤師は十分に頑張りすぎているくらいです。
問題は、“見える化”と“伝え方”にあるのです。
なぜ「頑張り」が評価されないのか?3つの理由

1. 評価の基準が明確にされていない
薬局の現場では、評価基準が曖昧なことが少なくありません。
「服薬指導を頑張っている」「後輩指導をしている」などの努力も、
それが“数値化”されていない、あるいは“成果”として扱われていないと、評価に反映されにくくなります。
たとえば「丁寧な服薬指導で患者満足度を高めている」ことも、
アンケートやフィードバックで示されなければ、
「よくやっているな」と思ってもらえても、正式な評価にはつながりません。
2. “期待値”が高いがゆえに見過ごされる
よくあるのが「できる人ほど当たり前に扱われる」問題です。
頼りにされる、任されるということは信頼の証でもありますが、
そのぶん、「やって当然」とされてしまい、
誰よりも頑張っているのに評価の対象になりにくいことがあります。
3. 自己アピールや報告の不足
「黙って頑張ること」が美徳とされがちな日本の職場文化ですが、
評価の場面では「何をやったか」「どんな成果があったか」を
言語化して伝えることが非常に重要です。
自己アピールというより、正確な“報告”や“見える化”は、
上司やチームにとってもありがたい行動なのです。
評価される人がしている「たった3つの行動」

1. 事実を記録し、共有する
日々の業務で自分が何をしたのか、どう工夫したのかを記録しましょう。
・今日、自分は何をしたのか?
・どんな患者さんに、どんな工夫をしたのか?
・チームのために、何をサポートしたのか?
これらを月次ミーティングや1on1で報告すると、
「見えない努力」が成果として認識されるようになります。
2. 上司とのコミュニケーションをルーティン化する
「評価してくれない上司」と感じることもありますが、
実際は“気づいていない”だけの場合も多いのです。
相談という形で近況報告をしたり、
「今後どのように成長すればよいか?」と尋ねてみましょう。
評価は「見てくれる人がいて初めて成立する」。
だからこそ、“見せにいく”ことが大切です。
3. “組織視点”で考えられるようになる
個人の頑張りを超えて、薬局全体への貢献を意識しましょう。
たとえば…
・新人の定着に貢献(離職率の改善)
・業務改善提案による効率化
・クレーム対応や防止
「組織にどう価値を与えたか?」が明確になると、
評価のされ方は一気に変わります。
評価されるための「心の整え方」

すぐに報われないこともあるからこそ、
「心の持ち方」も整えておくことが大切です。
- 「評価=自己価値」ではない
評価はあくまで他者の主観。あなたの価値は評価の有無とは別に存在しています。 - 承認される場を自分で持つ
信頼できる仲間やコミュニティの中で、自分の努力を共有しましょう。 - 「いまここ」を見つめる
未来の昇進ばかり見ず、日々の仕事に意味を見出していくことが、長い目で見て評価につながります。
おわりに:あなたの頑張りは、見ている人がいる
「どうせ頑張っても…」と心が折れそうになるときこそ、思い出してほしい言葉があります。
見ていないようで、見ている人は必ずいる。
あなたの行動は、誰かに影響を与えている。
そして何より、自分自身が一番の味方であることを忘れずに。
評価されるには、“伝える努力”と“見せる工夫”が必要です。
それは自分らしさを失うことではなく、むしろ自分らしく働くための“武器”になります。
あなたの頑張りが、ちゃんと届く場所へ届きますように。
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