「自分のことは後回し」「管理職は評価される立場ではない」「スタッフのケアが最優先」――。そんな思いで日々職場を支えている薬局長、マネージャー職の方は少なくありません。
しかし、あなたの頑張りも“承認”され、“ねぎらい”の対象であっていいのです。今回は、現場をまとめる側のあなた自身が「報われる」ことの大切さについてお伝えします。
「ねぎらい」は贅沢ではない
「スタッフが頑張ってくれたから」「現場が回っているのはみんなのおかげ」。そう言って周囲に感謝を伝える薬局長は立派です。でも、その言葉の陰で、あなた自身の疲れや孤独は置き去りになっていませんか?
マネジメント業務には、成果が「見えにくい」性質があります。トラブルを未然に防ぐ、空気を読みながら人間関係を調整する、誰かがミスをしても表に出さずフォローする――こうした“見えない貢献”は、他者から気づかれにくく、承認されにくいのです。
しかし、人は承認されることで心に余裕が生まれ、パフォーマンスが安定します。「ねぎらい」は、決して贅沢な感情ではありません。むしろ、組織の安定のためにも必要な“栄養”なのです。
報われないリーダーが抱える3つの疲れ

承認されない状態が続くと、マネージャーは次のような疲れを抱えやすくなります。
- 「理解されない」孤独
部下や上司、経営層の板挟みになり、「誰にも自分の大変さが伝わらない」と感じることがあります。 - 「頑張りが評価されない」虚しさ
トラブルを防いでも「何も起きていない」と扱われ、成果として認識されにくい。 - 「限界を超えても止まれない」自己犠牲
人手不足の穴埋めやクレーム対応で、自分を犠牲にする状態が常態化してしまう。
マネージャーにも“承認”が必要な理由
組織では「マネジメントは成果を出すのが仕事」と言われがちです。しかし、マネージャーだって人間。心のエネルギーが尽きれば、判断力も鈍り、人への配慮もできなくなっていきます。
だからこそ、マネージャー自身が「自分の仕事は誰かに届いている」と感じられることが重要です。これは決して甘えではなく、健全な自己維持のための“メンテナンス”なのです。
自分が報われるための「ねぎらいの習慣」
では、どうすればマネージャー自身が報われる環境をつくれるのでしょうか。以下に、実践できる方法を紹介します。
- 1. 小さな成果を自分で記録する
「今日クレーム対応をスムーズに終えた」「新人が育ってきた」など、日々の貢献を書き出すことで、自分の仕事を“見える化”しましょう。 - 2. 同じ立場の仲間と話す時間を持つ
他店舗の薬局長やエリアマネージャー同士で話せる場は、自分の苦労を理解してもらえる貴重な空間です。 - 3. 自分自身に「よくやってる」と声をかける
誰よりも自分が、自分の頑張りをねぎらってあげましょう。 - 4. 上司に対して成果報告を「意図的に」する
謙遜しすぎず、「こういうことに気を配って動いています」と伝えることも承認を得る一歩です。
ねぎらいが職場に生む好循環
不思議なことに、自分がねぎらわれる体験をすると、人にも自然に「ねぎらいの言葉」をかけられるようになります。これは、マネージャーが持つ“影響力”の強さによるものです。
上司が部下を認めるだけでなく、上司自身も認められている――そんな職場は、組織全体が「承認の循環」に包まれ、心理的安全性が高まり、離職も減少します。
おわりに:ねぎらいは、あなたの明日のエネルギー

薬局を支えるのは、現場で働くスタッフだけではありません。現場を調整し、未来を描き、日々判断し続ける「あなた」という存在がいるからこそ、職場は回っています。
だからこそ、あなた自身も報われるべきです。そして、その“ねぎらいの場”は、誰かに与えてもらうだけでなく、自分から作ることもできるのです。
どうか、今日という日が、あなたが自分自身をねぎらうきっかけになりますように。
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