この記事は以下の薬剤師に向けて書きました。
「薬物乱用防止教室」を小・中学生や学生に向けてやってほしいと言われたけど、無理だ~
初めてなので、どんなふうに取り組めばいいのか、わかりません。
人前の発表、しかも子供相手に自分のプレゼンが通じるだろうか・・
この記事を読めば以下のことが分かります
なにを準備すればいいかわかる
子供に伝わるプレゼンのテクニックが身に付く!
準備編
【打合せ】依頼者の要望をできるだけ聞き取る
直接、学校からの依頼なら窓口が養護の先生である可能性が高いはず。
あなたの公演を受けた後、生徒たちにどうなっていてほしいか、事前の打ち合わせの機会があればやった方がいいでしょう。
薬剤師会や行政、教育委員会からの依頼で、特に事前の打ち合わせがない場合、あなたが「生徒たちにこうなっていて欲しい」とイメージを持つことが道しるべになります。
例えば、
- 薬物乱用防止について、何か1つでもキーワードを覚えてもらえたら。
- 将来、危険な薬物が近づいてきたときに、正しい判断や行動が出来るようになっていたら。
- 薬物乱用はしてはいけない事と認識してもらえたら
あなたのプレゼンで、生徒たちのなっていて欲しい姿をイメージできればスライドの方向性が決まります。
【資料】プレゼン用スライドを作成する
プレゼン用のスライドは「薬物乱用防止 スライド」等でググればダウンロードできます。
薬剤師会や行政、教育委員会から、もらえるケースもあるでしょう。
依頼者にもよりますが、おそらくスライドを加工してはいけない、という事はないと思います。
そのまま使用してもいいですが、おもしろい内容で作られているとは私は思わないです。
打合せで、依頼者の要望が分かっていれば、それを組み込んだスライドに変えます。
特にニーズがふわっとしているなら、生徒たちの受講後の姿をイメージして、スライドを加工します。
私は以下の点を留意してスライドを作ります。
クイズ形式にして生徒たちに参加してもらう(挙手制など)。
絵や画像を多用する。視覚に訴える。文字ばかりのスライドにしない。
1つのスライドにたくさんの情報を詰め込まない(1スライド≒1メッセージ)
問題定義→結論→理由→事例→結論 でストーリーを組み立てる
●クイズ形式にして生徒たちに参加してもらう(挙手制など)。
話をひたすら聞いているだけの授業はなんとも苦痛なことか。眠たくなります。
生徒たちの「自分事」を引き出すのに「クイズ」は最適です。
生徒たちが参加することで笑顔につながります。
●絵や画像、図を多用する。視覚に訴える。文字ばかりのスライドにしない。
プレゼンはたくさんの文字を読ませていけない、と個人的に思っています。
絵や画像、図で、相手の脳にあなたの伝えたい事をイメージさせます。
話すときは、「絵や画像、図」を「説明する」を意識すれば、原稿は必要ありません。
原稿を「読む」から、伝わらない。
保険でパワポのノートに原稿を書いても構いませんが、ひたすら読み上げるだけのプレゼンは生徒たちに残せるものは多くないでしょう。
●1つのスライドにたくさんの情報を詰め込まない(1スライド≒1メッセージ)
スライド1枚を作り終えたとき、そのスライドは結局何を伝えたいのか1メッセージでまとめる作業をするとチェックできます。
いくつものメッセージが出てきてしまうのなら、スライド数枚に分けた方が良いでしょう。
人間の脳は複数の作業を同時に理解するのは苦手だからです。
生徒達は何をいっているか分からなければ、あなたのプレゼンから離脱してしまいます。
●問題定義→結論→理由→事例→結論 でスライドのストーリーを組み立てる
「問題定義」を投げかけることで生徒たちの「何だろう?」を引き出します。
この部分を「クイズ形式」がハマります。
クイズの答えが「結論」に当てはまります。
結論の「理由」を述べます。
「事例」を出してまとめます。スライド1枚にするか複数に分けてまとめるか内容によって変わります。
最後の結論は改めてスライドで表現するか、口頭のみでまとめるか、内容の重要度で決まります。
【練習】超重要!
プレゼンの「練習」は超重要です!
プレゼンの成否は「準備」で決まります。すなわち「練習」です。
プレゼンの達人なら少ない練習時間で済みます。
でも初めての薬物乱用防止教室なら、あなたはよりここに時間を当てましょう。
時間内に終わるかどうか計測する
実際、声に出してみることで、スライドの内容の修正点に気づく
●時間内に終わるかどうか計測する
時間オーバーは生徒たちの次の時間を奪ってしまいます。時間厳守でプレゼンを組み立てましょう。
小学生だと1コマ45分。冒頭の先生の挨拶があったりすると、5分ほどかかります。
プレゼンは35分~40分以内に終わる内容を目安にしましょう。
早く終わったら、質問の時間に当てれば良いのです。
●実際、声に出してみることで、スライドの内容の修正点に気づく
声を出して話すことで、「あれ?ここのスライド話しにくいなあ」「ここのスライドは必要か?」に気づくことが出来ます。
伝えにくい箇所は、スライドが複雑なのか、順番がおかしいのか、必要のないスライドなのか、逆にこのスライドを足さないとつながらない、などたくさんの原因が見えたりします。
繰り返し、修正を加えて、スッキリとしたスライドになり、プレゼン内容が分かりやすくなるのです。
子供に伝わる話のテクニック
本番では、練習以上のものは出ません。
繰り返し、練習すると、不安も和らぎます。自信すら出てくる人もいます。
練習の段階で、以下のテクニックに意識を払いながら取り組みましょう。
【目線】
「目線」は生徒たちに向けるが基本です。
話すときは、スライドの「絵や画像、図」を「説明する」を意識すれば、原稿は必要ありません。
目線のほとんどは「生徒たち」か「スライド」です。原稿を見るときは何を言うか忘れてしまったときのみです。その場合、慌てずに、堂々と原稿を確認してください。
【話し方】
「あの~」「え~」など連発していないかチェックしましょう。
時間内に終わらない原因の1つが「余計な発声」です。
短いセンテンス(文章)で話せているか、も重要です。
特にやりがちなのは「~なので・・」「~ですが・・」で文章を長くしてしまうことです。
日本語は語尾が重要です。語尾を無用な接続詞でつながないように、1文を言い切りましょう。
【からだ】
「身ぶり・手振り」を交えているか、これも重要です。
聞き手は、プレゼン者の「からだの動き」で印象が残る場合も多いからです。
聞き手にとって何が優先されるかというと「視覚情報」>「聴覚情報」>「話の中身」です。
プレゼン者の「身ぶり・手振り」で聞き手に「聞く姿勢」を作り、「話し方」で相手の脳に「中身」を届けるイメージですね。
まとめ
プレゼンの目的は、相手の行動が価値ある行動に変わることです。
薬物乱用防止教室の場合、目に見えて、生徒たちの行動が変わったかどうか確認することは難しいですが、彼らの将来、危険な薬物を近づいて来たときに、適切な判断・行動につながれば、あなたのプレゼンは非常に価値ある内容を提供したことになります。
生徒たちにとって、何か1つでも印象に残るようなメッセージを伝えられると信じて、プレゼンターも楽しんで取り組んでほしいです。
大人に向けてやるよりも、子供たちの反応はダイレクトだったりして、おもしろいですよ。
事前準備を悔いない形で取り組んで、当日を迎えてください。
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