こんにちは!**「オレンジ色の薬剤師」**です。
認知症ケアの現場で、毎日奮闘されている介護職の皆さん、ご家族、そして現場に出たての新人薬剤師や調剤補助の皆さん、本当にお疲れ様です。
「薬を飲んでくれない」「飲んだかどうかわからない」……。
そんな現場の切実な悩みを解決するヒーローとして期待されているのが**「貼り薬(経皮吸収型製剤)」**です。
今回は、アリドネパッチやリバスタッチパッチを例に、**「結局、飲み薬と何が違うの?」**という疑問を、現場目線で分かりやすくリライトして解説します!
1. 貼り薬と飲み薬、何がそんなに違うの?
まずは、ざっくりとした違いを比較表で見てみましょう。
| 比較項目 | 貼り薬(経皮吸収薬) | 飲み薬(内服薬) |
| お薬の入り口 | 皮膚からじわじわ血中へ | 胃腸→肝臓を通って全身へ |
| 管理のしやすさ | 見てわかる(視覚的) | 飲んだか確認が必要 |
| 飲み込み能力 | 不要(貼るだけ!) | 必要(誤嚥リスクあり) |
| 主な副作用 | 皮膚のかぶれ・赤み | 吐き気・食欲不振・下痢 |
【オレンジ流・ここがポイント!】
飲み薬は「胃腸」を通過するため、どうしても吐き気などの消化器症状が出やすいんです。貼り薬はそこをバイパスできるのが最大の強みですね。

2. 代表的な2つの貼り薬:アリドネとリバスタッチ
現在、現場でよく見かけるのはこの2つです。ちなみに両者の併用はできません!
アリドネパッチ(成分:ドネペジル)
- あの有名な「アリセプト」と同じ成分。
- 「週に1回」ではなく**「毎日貼り替え」**です。
- 飲み薬で吐き気が出てしまった方の救世主になることが多いです。
リバスタッチパッチ(成分:リバスチグミン)
- 脳内の物質に働きかけ、症状の進行を抑えます。
- パッチのサイズを少しずつ大きくして「増量」していくのが特徴。
- 皮膚への刺激が少し強めなので、ケアが重要です!
3. なぜ「貼り薬」が選ばれるのか?4つのメリット

現場で選ばれるには、ちゃんとしたワケがあります。
- 「飲ませる苦労」からの解放拒薬(薬を拒むこと)がある方や、嚥下(飲み込み)が難しい方でも、背中や腕に「ペタッ」と貼るだけで完了。これは介護する側の心理的負担を劇的に減らします。
- 「飲んだっけ?」問題に終止符「貼ってある=お薬が効いている」と一目でわかります。ご本人に何度も「お薬飲んだ?」と聞いて、ケンカになる……なんて悲劇を防げます。
- 胃腸にやさしい成分が直接血中に入るため、胃への刺激が少なく、食欲が落ちにくいという利点があります。
- 効果が「なだらか」に続く飲み薬は飲んだ直後に血中濃度がドンと上がりますが、貼り薬は24時間一定。だから副作用が抑えられやすいんです。
4. 知っておきたい「貼り薬の弱点」

いいことばかりではありません。ここをフォローするのが、専門職や介護者の腕の見せ所です!
- 「かゆかゆ」トラブル(皮膚炎)一番の敵は「かぶれ」です。同じ場所に貼り続けるのはNG。**「昨日は右肩、今日は左肩、明日は背中」**といったローテーションが必須です。
- 剥がし忘れによる「2枚貼り」古い薬を剥がし忘れて新しいのを貼ると、お薬が効きすぎてしまう(過量投与)危険があります。
- 「剥がしちゃう」問題ご本人が気になって剥がしてしまうことも。手の届かない背中の中央などに貼る工夫が必要です。
貼る前の新習慣!「3M キャビロン 非アルコール性皮膜」 貼る前にシュッとひと吹き。皮膚に薄いバリアを作って、粘着剤の刺激から肌を守ります。お薬の吸収を邪魔しないのがプロの推奨ポイントです👇
痛くない!「3M キャビロン 皮膚用リムーバー」 高齢者の薄い肌に、無理な刺激は禁物。これを使うと「つるん」と優しく剥がせます。剥がす時の痛みからくる「貼り薬嫌い」を防げます。
5. オレンジ色の薬剤師からのアドバイス

「薬の効果に優劣はない。あるのは“続けやすさ”の差」
正直に言うと、貼り薬に変えたからといって、劇的に認知機能が回復するわけではありません。認知症の薬は、あくまで「進行をゆるやかにする」ものです。
でも、「毎日楽しく、トラブルなくお薬を続けられること」。これは患者さんとご家族のQOL(生活の質)にとって、何よりも大切なことです。
新人薬剤師・補助の方へ:
窓口で「貼り薬、面倒じゃないですか?」と一言添えてみてください。もし皮膚が赤くなっていたら、保湿剤の併用を提案するチャンスです!
【現場の知恵:オレンジのおすすめ】 貼り薬を継続するコツは、**「貼っていない時の皮膚ケア」にあります。パッチを剥がした場所は、次の出番までお休みさせる時間。低刺激な「キュレル ローション」**などでしっかり保湿して、肌のバリア機能を整えておきましょう。ポンプ式なら介護の合間にパッと使えて楽ちんです!👇
まとめ

貼り薬は、単なる「便利な道具」ではなく、**「介護に関わる全員の笑顔を守るための選択肢」**です。
皮膚トラブルなどの課題はありますが、私たち薬剤師と一緒にケアを工夫していけば、これほど心強い味方はありません。「貼る場所、どこがいいかな?」「赤くなっちゃったけどどうしよう?」と思ったら、いつでも気軽に相談してくださいね。
「どう治すか」以上に「どう支えるか」。
それを一緒に考えていきましょう!


コメント